確定申告の歳、簿記3級だとか、「 単式簿記 」「 複式簿記 」、「 貸借対照表 」「 損益計算書 」などを勉強していくとありますが、それ以前に、何を帳簿しなければならないか?はあまり解説がなされていません。(青色確定申告、個人事業主での場合での前提で話を進めています。)(また業種はゲーム開発・職業パブリッシャーとして話を進めていきます。)
※免責この記事には間違いが含まれている可能性があります。あくまで参考程度にして、正確な情報は税理士さんなど専門家の意見を元に正確な判断を行ってください。この記事で発生したいかなる損害や損失の責任を負うことはできません。
引用・出典:マネーフォワード公式HP
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結論
- 難しいのは支出に関する経費の帳簿 ↓
- 売上に絶対に必要だったモノかどうか?で絶対に必要だと断言できるものが帳簿できる。
帳簿しなければならないこと
- 売上(収入)
- 売上を達成するのにかかった費用(経費)
以上のことで事業に関するものを帳簿するのが基本的なルールです。
例えば、個人のプライベートで使っている車の売却は帳簿の対象に含まれません。逆に事業で車を使っていた場合は帳簿の対象になります。
一見簡単そうに見えますが、実際にやってみると、この経費にできるもの、できないもの、具体的に勘定科目を設定して帳簿の暗黙のルールをかいくぐり正確に帳簿するのが難しいです。
実際の帳簿は勘定科目で細かく分かれている
引用・出典:マネーフォワード公式HP
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引用・出典:マネーフォワード公式HP
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帳簿をする際には細かく項目が分かれており「 勘定科目 」というくくりでまとめられて、あらゆるお金の流れを分類していきます。
帳簿しなくて良いこと
先程もちらっと出てきましたが、事業とは全く関連のないお金の出入りです。
マネーフォワードの帳簿で話を進めていきます。
引用・出典:マネーフォワード公式HP
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収入の帳簿
収入の帳簿で難しいことはあまりないはずです。入金された金額を種類別(直接手渡し・口座へ入金など)に応じて仕分けて記録していくだけです。
やや注意としては、非課税の収入(年金・給付金など)は記録しなくても良いこと、
逆に競馬・競艇・競輪・オートレースの払戻金・パチンコ・スロットの収益・宝くじの高額当選・オンラインカジノ・海外ギャンブルの収益・懸賞・賞金、などの収益は申告しなければならないことです。
支出の帳簿(経費)
そして最も厄介なのが経費の帳簿です。
冒頭でも説明したように、事業に関するものを帳簿するのが基本的なルールです。では一体具体的にどんなものが事業に関する経費として認められるのでしょうか?ここの認識がとにかく簿記初心者にはさじ加減がよく分からず、税務署で確認しに行くと怒られてしまいます。
前提・事業の場所
- A = 自宅の一部を仕事場所としている。
- B = 完全に自宅とは別の作業場所として敷地や建物が仕事用として用意されている。
まず大前提として、自宅の一部なのか?完全な仕事用の建屋なのかで、経費にできるものが大きく違います。
A = 自宅の一部を仕事場所としている。
経費にできるもの
- 仕事専用のPCに増設したメモリ・SSD・HDDなどの周辺機器
- ゲーム制作に必要なアセット(要注意あり・次回記事参照)
経費にできなかったもの
- 暖房器具として購入した、足湯専用の5Lのポッド
- 仕事専用着のあったかパジャマ
B = 完全な仕事場
経費にできるもの
- 仕事専用のPCに増設したメモリ・SSD・HDDなどの周辺機器
- ゲーム制作に必要なアセット(要注意あり・次回記事参照)
- 暖房器具として購入した、足湯専用の5Lのポッド
- 仕事専用着のあったかパジャマ
経費にできなかったもの
- だいたい経費にできる
完全な仕事場にしていれば大抵の仕事場に装備するものは経費にできます。逆に自宅兼仕事場では大抵のものが経費にできにくいです。
そこで重要なのが、
- 売上に絶対に必要だったモノかどうか?
- 完全な仕事場に装備するモノなのか?
で判断することです。
ポイント 売上に直接関与したか?
具体例がないと分かりにくいのでChatGPTに具体例を考えてもらいました。実際の自分の帳簿を公開しながら税務署で質問してわかったことを述べていこうと思いましたが、前述の作業着と足湯専用のポッドぐらいしか具体例が出てこなかったので大した説明にならなそうです。
ゲーム開発における経費にできるもの・できないもの(個人事業主・自宅兼業前提)
経費にできるもの(事業に直接関連するもの)
- PC・周辺機器(ゲーミングPC、モニター、キーボード、マウス、ペンタブなど)
- ソフトウェア・ツール(Unreal Engineの有料アセット、Adobe Creative Cloud、Blender Proなど)
- ゲームエンジンのマーケットプレイス購入品(UEやUnityのアセット)
- 外注費(イラスト、BGM、プログラムの委託費)
- クラウドサービス費用(Google Drive、GitHub有料プラン、AWSなど)
- ネット料金の一部(仕事で使う割合に応じて按分)
- 電気代の一部(PCを長時間使用するため、仕事用の割合を按分)
- 作業用デスク・椅子(業務専用なら全額、兼用なら按分)
- Steamなどのゲーム販売の登録費用
- 宣伝広告費(YouTube広告、Twitterプロモーション、Pixivプレミアムなど)
経費にできないもの(プライベート要素が強いもの)
- 趣味用のゲーム代(明確なリサーチ目的がないゲーム)
- 個人的なPC・スマホ代(事業用と兼用なら按分は可能)
- 生活費(家賃・食費・日用品など)(家事按分で一部計上できる可能性あり)
- 飲食費(交際費として認められるケースもあるが、個人の食事は基本NG)
- ガジェット類(イヤホン、ヘッドホンなど)(業務専用でないと認められにくい)
- マンガ・小説・映画代(リサーチ目的でも業務との関連性を明確にする必要あり)
- 家具・家電(エアコン・冷蔵庫・ベッドなど)(事業専用でない限り難しい)
- 通勤・移動費(自宅兼業のため基本的に発生しない)
- 個人の趣味で撮影した写真・動画の機材費(業務用ならOK)
- 衣服・ファッションアイテム(作業着・コスプレ制作なら業務との関連性が必要)
マネーフォワードの課金は1ヶ月分でOK
(取引や帳簿の量が少ない場合に有効です。毎月100件以上の取引をする場合は年間契約したほうが無難かもしれません。)(自分は年間30-40件程度なので1日もあれば帳簿作業は終わります。もちろん自前のNumbersの記録はつどつど帳簿しています。)
1年分の帳簿をするので、マネーフォワードなど会計ソフトを1年分契約しなければ。それはかなり損をしています。収支などは自前でエクセルやナンバーズに記録しておき、帳簿を1ヶ月以内に済ませてしまえば、マネーフォワードへの課金は1ヶ月分でOKです。マネーフォワードの場合は今までの帳簿や過去の記録が課金を止めてもアカウントに保存されているので引き続き帳簿などが行なえます。
会社員で副業をしている人は、パーソナルミニ1280円/月(税抜き)。
自営業やフリーランス(個人事業主)で申告をする人は、パーソナル1680円/月(税抜き)。
を契約しましょう。(有料プランの登録はクレジットカードを登録しているとワンボタンで瞬間的に登録されるので登録ボタンを押すときは慎重にプランが間違っていないか確認して押しましょう。)
まとめ
どうでしょうか?自分が経費にしようとして経費にできなさそうなもの。逆に経費にできそうなもののイメージは掴めたでしょうか?
まずはオレンジ色の文字の経費にできるか?の部分を知るだけでも大きく前進です。本当に何も知らないとなんでも経費にできると勘違いしてしまいますが、少しづつ何が経費にできて何が経費にできないかを知っていきましょう。
次回ではゲーム開発特有の、経費にできないモノの罠を紹介したいと思います。
ネタバレすると、「 販売していないゲームに使用したアセットを経費にすることはできない 」です。
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