すでに先人の知恵として「 GRAPHさん 」のブログに「 Blenderで作った服をDAZ Studioで使えるようにする 」という記事があるのですが、いかんせん丁寧に説明されているのは良いのですが、手順の全体像がややわかりにくいので自分用にまとめ直します。
やりたいこと
図のようにBlenderで自作した服をポーズの変更も含めてレンダリングできるようにフィギュアに服を着せることが目的です。
DazStudio 4.23
Blender 4.3.2
を使用しました。
最終的にはBlenderで作ったオリジナルの衣装をアンリアルエンジンのゲームで使用して、そのゲームのプロモーションレンダリング画像を使うときに、ダズスタジオでレンダリングしたいという構えです。
手順の全体像
- DazStudioからフィギュアをエクスポート(サイズ等微調整)[.obj]
- フィギュアをBlenderにインポートする[.obj]
- 服を作成
- フィギュアにフィットさせる(貫通などを修正)
- Blenderから服をエクスポート[.obj]
- DazStudioにインポート[.obj]
- Transfer Utility で服にボーンとウェイトを転送する
- 服のモーフを使って微調整してフィギュアにフィットさせる
それでは実際に作業していこう!
DazStudioからフィギュアをエクスポート(サイズ等微調整)[.obj]
- 服を着せたいキャラクターを呼び出し。
- Sceneからキャラクターを選択 → Parameter → Mesh Resolution → Resolution Level → Base を選択
- File → Export → 保存先を選択 → Export設定画面が出る
- 設定画面 → Scaleを1% → エクスポート
フィギュアをBlenderにインポートする[.obj]
- File → Import → Wavefront(.obj) → トランスフォームで「-Zが前方」、「Yが上」を確認 → キャラクターが出現
- キャラクターを選択して大きさを確認(Nキーでツールウインドウを表示ItemでTransform情報が見える)
服を作成
服の作成には
- アドオンなどの服製作ツールを使う
- ゴリゴリ自分でメッシュをモデリングする
の2つの方法があります。1番に関しては過去記事「 Blenderで服を作りたい!のでアドオンを探す。 」でどんなアドオンがあるかを検討しています。
今回はまだツールを購入できていないので、2番のゴリゴリスタイルで服を試作してみます。ゴリゴリスタイルでは、
- フィギュアのメッシュを複製する方法
- 服となるメッシュを新規で作成する方法
の2つのパターンが主流のようです。今回はフィギュアのメッシュを複製してTシャツっぽいモノとパンツのような服を作ってみました。この当たりは別途アドオンを購入したり衣装デザインをしたりと、かなり奥が深いので今回はサラッととにかく形だけ作る形で進めていきます。今後の記事に期待ですね。
ゴリゴリスタイル服メッシュ作成
- フィギュアのメッシュから服のもととなるメッシュ部分を複製します。
- サイズを1.1倍にしました。
- 服の下の部分に空間ができるように穴?を広げました。
- 全体をフラットにスカルプトしました。
- フィギュアに合わせてみて貫通している部分をスカルプトで膨らませました。
フィギュアにフィットさせる(貫通などを修正)
今回は小学生が粘土をこねたようなブサイクな修正になりましたがとりあえず服を作る工程を一通り練習するのが目的なので、クオリティには目をつぶりましょう。
Blenderから服をエクスポート[.obj]
- 服オブジェクトの原点をワールドの原点に設定
- 念のためトランスフォームの回転とスケールをCtrl+Aでリセット
→ - 服を選択 → File → Export → Wavefront(.obj) → エクスポート画面が出現
- 画面から → 選択物のみ のチェックをON
- トランスフォーム → 前方-Z → 上Y にセット
- モディファイアを適応をOFF
DazStudioにインポート[.obj]
- File → Import → インポート画面が出現
- 画面から → Scale=10000%
- Axis ConversionをXYZを確認(初期値がXZYになっているので注意)
- フィギュアにフィットしてインポートされる
- トップスとボトムをインポートする
Transfer Utility で服にボーンとウェイトを転送する
- Edit → Figure → Transfer Utility → Transfer Utility画面が開く
- 縮小画面が出てくるので → More…を左クリック → 詳細な画面が開く
- Source → Scene Itemを服を着せたいキャラクターを選択
- そのしたのItem Shapeを「 Current 」に選択
- Target → Scene Itemを着せたい服を選択
- Reverse Source Shape From TargetをONにする
- Add Smoothing ModifierもONにする
服のモーフを使って微調整してフィギュアにフィットさせる
- Parameters → 三角マークにリストのようなアイコン → Preference → Show Hidden Properties を左クリックすることで隠れたパラメータが表示される
- 胸の当たりやウエストなどパラメータを調整すると服を微調整することができるので、すべてのパラメータをいじくってどれくらい調整できるのかを試してみよう!
ただ、図のように完璧に何でもかんでも微調整できるわけではないので、Blenderでのフィット作業のほうがより重要だと感じました。あくまでも微調整であって大きく外れるとモーフではカバーしきれないといった印象です。
ただズボンの長さがとても長くなったりと面白い微調整モーフ(これはモーフなのか?)もあったので色々触ってみよう。このあたりは動画にしたほうがわかりやすいですね。
まとめ
服を作る作業がまた一つの課題として難しいですが、Blenderで作った服をダズスタジオでレンダリングすることに成功しました。ダズスタジオでは日本人向けのカジュアルな普段着が少なく、ゲーム使用するには本体の購入とインタラクティブライセンスで少なくとも1着あたり10-30$くらい必要です。最安では10$ですが滅多なことでは最安で買えないので25$くらいが現実的な購入額でしょうか?
10着必要になると250$と馬鹿にならない出費なので自分で作れるに越したことは無いです。
そう考えると自分で作れてしまう方がオリジナリティも保てて安上がりということになります。作る手間は多少かかりますが、オリジナルの服を作るのは楽しいので時間さえあれば特に苦痛にはならないでしょう。
服を作る工程は今後アドオンを購入したりと少しづつ作り方をマスターしていく予定なので今後に期待です。
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