スケジュールの立て方(時間単位)

前提条件

スケジュールの管理方法を長々と書きましたが、前提条件として、期限が決められていない、フリーの活動でゲームや創作物を製作する際のスケジュールの立て方です。明確なクライアントや期限が定められた”仕事”のような予定管理には適していないと思います。

始まりと終わり 期間を設定せよ

期間を決めずにだらだら作業を惰性のように進めると自分が何ができて何ができなかったのかが曖昧になり、はっきりとした成果を認識しづらくなることが多いです。作業する期間を決めてその期間内で何が出来上がったのかをはっきりとわかるように始まりと終わりの線引をしましょう。

大枠の時間単位で設計せよ(結論)

ゲーム制作をする際に計画・スケジュールを立てると思いますが、みなさんどうやって計画を予定していますか?「契約の浮遊船」を完成させた経験を元にスケジュールの立て方について考えてみます。

まず結論の通り、時間単位で設計しましょう。この週は作業1をしてこの週に作業2、今日は作業Aをしようと事細かに計画を立てる人がほとんどかもしれませんが、週や日付単位での作業ではなく、自分は大雑把な工程をベースに時間単位、例えば企画出しに100時間、モック作成に120時間のような形で計画をするべきではないか?という結論に至りました。

後述するように予定は99.9%その通りにはならないので、せっかく作ったこと細かい完璧に思える予定でも、どこかで実際にはズレが生じて破綻してしまいます。

時間の量感を記録、意識せよ

40時間、168時間、2184時間。この時間を聞いてどんな時間か?ピンときますか?
40時間はフルタイムで制作した時の1週間で大体作業できる時間の総和。168時間は1週間の全時間。2184時間は四半期(13週間)の全時間です。

ゲーム制作は軽く数百時間を超える長期の作業になりがちです。作業をなるべくかかった時間と共に記録してその時間感覚と時の流れ(何日くらいの作業かなど)を体感的にイメージできるようにしておきましょう。そうすれば時間単位で設計したスケジュールを読む際にう〜むこれくらいの時間スケールなのか?というのが肌でわかるようになってくるはずです。

ちなみに自分は作業した時間と内容を全部、1Numbers1年で管理しています。(余談・快適に使える表のレイアウトにするのに3年くらいかかった。)

細かい作業はその日の気分で

作業を細かく書き出してスケジュール管理アプリや表、メモ、ポストイットで管理する人も多いと思いますが、作業はやったらやっただけ細かい部分で新しく作業が生まれたり、更新されるので、予定変更に対する調整作業、という新しい作業が生まれこれまた貴重な時間を吸い取られます。
そのため細かい部分はメモに忘れないように書いておいて、作業を進める中での気分で次に何をするか決めていきましょう。

スケジュール通りには99.9%進まない

実際に計画を立てて実行したことがある人なら嫌というほど体験していると思いますが、スケジュールどおりになることは少ないです。あくまで、次は何をするんだっけ?の答えになる行動の目安・指針となるようにしましょう。

ゲーム制作の場合、予想の3倍時間がかかる

初めてのゲーム制作の場合は、予想の3倍時間がかかることがほとんどです。自分の場合は「契約の浮遊船」でピッタリ予定の3倍かかってしまい、Twitterで他の制作者さんの声を聞いても同じ様なことを聞きます。

集中力が続かない期間もでてくる

期間で設計してしまうとどうしても集中力が続かない時期が来た時、設計と実際が違いイライラしたり、焦りを覚えるはずです。時間で設計しておけば多少ブランクができたとしても、実際の作業時間の累積で考えていけるので実際に応じた設計ができるのではないでしょうか?

制作できる限界の時間

作っているのが人間である以上、どれだけ愛着があっても、同じゲームばかりと向き合い嫌になり、飽き、集中力が続かないことが発生します。経験的には
① 1500時間程度で疲れが出てくる
② 2400時間で完全に力尽きる
③ 限界を超えて3200時間やったら疲労回復に1年休みを食らう
ということがありました。

またTwitterでも2年制作を続けると2年以降から飽きが来て、もう制作を辞めたくなるなどの意見をちらほら聞くことがありました。みなさんも同じ様に感じているようですね。

多少ズレても気にしない

予定はあくまでも目標、今何をするべきか?はっきり自分の欲望を示せていれば良いので、立てた予定通りにならなくても余り気にせず、作業が進んでいるのか止まっているのか?という大きな視点で捉えるとスケジュールに縛られずに心理的に楽になると思います。あくまで作業を進める道具の1つと思えばよいかと。

 

時間単価での作業スピード

一度ゲームを完成させると作業が早くなる

当たり前ですが1度ゲームを完成させると迷う部分や細かい部分での製作方法が詳しく体に経験として刻み込まれているのでより速く制作することが可能になります。要因としては大きく以下の4点でしょうか?

  1. ツールの操作方法を習得済み
  2. 細かい作業・内容と大きな流れを知っている
  3. 所有アセットが充実している
  4. 企画から作業 完成までのイメージがはっきりしてくる

特に4番の完成までのイメージをより詳細に描ければ描けるほど開発スピードが速くなると思いますが完璧にゼロから完成形をイメージできるには10年くらいかかりそうな予感がしています。

完璧な予定(企画)、作りながらの予定

完成に対するイメージがより細かい部分まではっきりしていればいるほど作業に必要な時間は少なくてすみますが、やってみないと分からない、アセットの出来栄えによって方向性が変わる、などで作りながら予定が変更されます。単位時間での作業スピードを上げるにはアセットを詳しく知っている、もしくは細かい部分をイメージ通りに作れるスキルが必要ですね。

はっきりした進め方が分からず、試行錯誤で進む場合

もっとも時間を食うのは、悩んでいる時間、あれこれ試行錯誤しながら右往左往しているときです。経験を詰んで迷わずスーーッっと目的のイメージに向かって制作できるようにしたいです。

なるべく質の高い作業で短時間で仕上げたい(まとめ)

細かい部分も完璧に完成されたイメージに向かって迷うことなく、作業を淡々と進めることがもっとも速く完成させられる方法でしょうか?時間単位で設計しろ、としたものの、その1時間に進む作業量や内容はまちまちですが、なるべく質の高い作業をギュッと短時間に濃縮させて進めて行きたいものですね。

 

 

 

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